【契約前に必読】熊本の設計事務所選びで失敗しないためのチェックリスト
はじめに
近年、インターネットやSNSで素敵な家の画像を目にする機会が増えてきています。
これは筆者の肌感覚ですが、熊本でデザイン住宅を建てたくて、設計事務所を探している方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
このコラムでは、そんな方々に向けて、自分たちに合う設計事務所を選ぶためのチェックポイントについて解説していきたいと思います。
1.過去の実績・得意分野を確認する
ひとくちに熊本の設計事務所といっても、デザインの方向性や得意とする分野はさまざまです。まずは設計事務所のホームページの中から、過去の施工事例や作風を確認してみましょう。
その際に見ておくことは、デザインや事務所の方向性が自分の好みに合っているかどうか。
また、複数の作品から共通して伝わってくるデザインの考え方や価値観が、自分と合うかどうかを見極めます。
事務所によって得意とする分野が異なるものなので、まず最初に自分が理想とするイメージに合った得意分野の設計事務所を選別しておくことがポイントです。
2.設計士とのコミュニケーションのとりやすさ
価値観やデザインの方向性が合っている設計事務所をピックアップできたら、まずは設計士に会ってみることが大切です。
設計士選びにおいては、新居が建つまで1年以上の計画期間の間、その設計士と相互信頼を保っていけるかどうかということがとても大切だからです。得意分野が自分の理想に近いテイストのデザイン住宅でも、すごく気を遣って話しにくい相手だと理想の注文住宅を建てることは難しくなるでしょう。住宅は暮らしの場ですので、言いにくいことも伝えられる相手なら、より理想の生活の場に近づけることができるでしょう。
建て主と建築家のトラブルのほとんどは、コミュニケーションのずれが原因と考えられます。はじめは小さな行き違いでも、時間と共にずれが大きくなっていき、最後にはお互いに疑心暗鬼になってしまう、ということは通常の人間関係でもよくあることだと思います。
じっくりと落ち着いて話し合うことができて、自分たちの意見に耳を傾けてくれる人か、細かい疑問にもこちらが理解できるまで説明してくれる人か、家を建てたあとも、長く家のメンテナンスを任せたい人物かを直接会って確認してみましょう。
熊本でも設計事務所は初回相談を無料で行っていることも多いので、そのような機会を活用するのがおすすめです。
その際とくに、次のような点に気を付けてみてみましょう。
疑問への対応
小さな疑問にも丁寧に対応してくれるか、問題が発生した際に誠実に向き合う姿勢があるかどうかも見極めましょう。
建て主と同じ目線で話せるか
専門知識がない施主の目線に寄り添い、フラットなコミュニケーションを取ってくれる人かどうかが大切です。
コミュニケーションのコツ
なお、注文住宅の打ち合わせは形がないところから形あるものを作り上げていく作業になるので、次にコミュニケーションの行き違いを少なくするためのコツをいくつか挙げておきます。
① 要望をリストにしてみる
施設の用途、必要な機能、デザインの希望、予算、納期などを具体的に書き出しておくと、設計者がクライアントの意図を正確に把握しやすくなるので、その分意思疎通がスムーズになります。
②参考になる画像などを用意する
言葉だけでなく視覚的に内容を共有できると、設計士もより作成イメージを持ちやすくなるため、要望の意図や理想のイメージを共有するのに有効です。
③家族での面談
必須ではありませんが、家族全員で会う機会があると、設計士が家族同士の雰囲気や生活スタイルを把握しやすいというメリットがあります。
打ち合わせの際は、以上の点を参考になさってみてください。
出典:福岡県建築士事務所協会
3.設計能力がある
ここでいう「設計能力」というのは、間取りやデザイン面での提案という意味合いではなく、住宅の機能性や耐久性といった性能面を担保するための細かい部分の仕上げ方や雨じまいなどの設計能力のことです。
例えば、壁や屋根は、しっかり通気や換気をさせておいたほうがよい部位です。通気・換気をするには、外に向かって開いている必要があります。しかし、建物に絶対に必要な雨仕舞いの面からみると、当然閉じていれば雨が入らないわけです。それでも住宅を建てる時は、このように相反するものを統合していかなければなりません。そのために必要なのが、「詳細図を書くこと」です。
デザイン住宅はこのような詳細図があってこそ成立します。なぜならエッジの効いたかっこいいデザインの中には、現場でどのように作ればよいかが非常に難しいものも少なくないからです。デザインだけして後は現場に任せるようなタイプの設計事務所に当たってしまうと、場合によっては雨漏りなどですぐに建物が劣化してしまう場合も考えられます。
少し話がずれますが、設計事務所は設計費用が必要ということで、人によってはこの費用を特別視する場合もありますが、おしゃれでかっこいいデザイン住宅をゼロから作り上げていく設計事務所の場合、エッジが効いた特殊なデザインのために多くの詳細を考える必要があるため、その作図あるいは指示にかかる手間や時間に対する費用がかかる、ということでもあります。
何も知らなければ少しもったいない気がしてしまう設計料も、そういうことがきちんと担保されていて、施工会社に対して指導・説明ができるのであれば、それは安いか割に合っているといえるでしょう。もし、格安の設計料で図面を作ってもらうことができて、施工してくれる工務店を探しても、「うちでは作れません」と断られたり「やってもいいがかなり時間がかかります」と言われたら、結局のところは高くつくことになります。
そういったことを総合的にみて、雨仕舞い・通気など、家の基本性能に関わる高い設計能力がある設計士に依頼することはとても大切です。
ここは専門知識が無いと判断がつきづらいところではありますが、設計士の経験の多さが一つの基準となります。現場にも精通した経歴がある人だと、なお安心です。
さらに、過去の作品写真や資料を見せてもらったり、可能なら過去に依頼した建て主に直接話を聞いて確認できる機会があると、より安心できるでしょう。
監理能力
上記の設計能力と同じくらい大切な要素が「監理能力」です。
「監理」というのは、完成した図面通りに工事が行われているかをチェックしたり、図面に表せない細かい部分の仕上げ方などを工務店に指示する仕事のことをいいます。
万が一設計図書・仕様書通りに造られていなければ、施工会社の工事管理者に指示を出し、工事を是正させる業務も担います。
監理業務は、設計業務と並んで建築プロジェクトの成功に欠かせない重要な役割があります。
4.コストマネジメント能力
設計の段階でかかる費用を予測し、予算内で理想を実現するためのおおまかな提案ができるかどうかも大切です。
また工務店からはじめの見積りが出たあとに、建て主の希望をなるべく盛り込んだ上で、予算内に収まるように設計を修正していく能力のことを指しています。
これも、やはり経験の多さが一つの指標となります。設計能力と同様、過去の実作を見せてもらったり、チャンスがあれば他の建て主から話を聞いて確認してみるのがおすすめです。
出典:タイテル
出典:まるわかり注文住宅
まとめ
いかがでしたか。
以上のように、ゼロから理想の住宅を作り上げていくデザイン住宅の場合、依頼する設計士の経験や知識もさることながら、コミュニケーションの相性も大切です。
これから熊本の設計事務所で家づくりをしたいと考えていらっしゃる方は、参考にしていただけますと幸いです。